下半身の血液の流れを司る弁の異常によってできる、風船状やコブ状に膨らんでしまった静脈を治療します。
当クリニックでは痛みのないエコーによる初診検査、麻酔を使用した治療など、患者様の不安に寄り添う治療を行っています。現在主流の「血管内焼灼術」に対応しており、日帰りで治療も可能です。
下肢静脈瘤の治療には保険が適用されます。
下肢静脈瘤とは、下肢の静脈の血液の流れを司る弁に異常が起こり、心臓に送られるはずの血液が逆流してしまい、血液が溜まり、静脈が風船状やコブ状に膨らんでしまう症状のことです。
下肢静脈瘤は、日本人の実に10人に1人の割合で起こる病気であり、妊娠・出産を経験した女性にいたっては2人に1人の割合で起こるとも言われています。
血管には、身体のすみずみへ血液を送るために活発に活動する「動脈」と、身体中に栄養素や酸素を送る役目を終えた血液を心臓に戻す「静脈」の2種類が存在します。
下肢の静脈は、筋肉を収縮させる筋ポンプ作用によって血液を心臓まで戻していますが、重力の影響で血液が戻ってくることがないように、「静脈弁」と呼ばれる逆流防止弁によって血流をコントロールしています。
下肢静脈瘤は、この逆流防止弁が、老化・疲労といった原因によって機能障害を起こすことで発症します。逆流した血液は血管の中に溜まり、コブ状の静脈瘤となって足にさまざまな支障をきたします。これが下肢静脈瘤の仕組みです。
下肢静脈瘤の代表的な症状については、以下があります。
※これらのうち、ひとつでも気になる症状があれば、下肢静脈瘤の可能性があるため、当クリニックまでお気軽にご相談ください。
日本人の50歳~69歳のおよそ61%に静脈瘤があると言われています(※1)
出産経験のある成人女性の2人に1人が発症すると言われています(※2)
※1:平井正文、久保田仁、川村陽一他 脈管学28:415-420,1989
※2:平井正文,牧篤彦,早川直和:妊娠と静脈瘤 静脈学:255-261, 1997
加齢・老化による体力の低下、および筋力の衰えなどは、下肢静脈瘤が起こる主な原因のひとつです。
具体的には50代前後から、下肢静脈瘤が起こる割合は上がってきます。
静脈内の逆流防止のための「静脈弁」は、コラーゲンおよび弾性線維で構成された軟部組織と呼ばれる強度の弱い組織であるため、年齢を重ねるほどに機能低下が起こり、下肢静脈瘤を発症しやすくなります。
下肢の筋ポンプ作用が低下してしまう原因となります。
長時間、立ち仕事を続けることによって、血液が重力によって下肢に逆流するのを防ぐために、「静脈弁」には仕事中、ずっと負担がかかることになります。
具体的には、以下のような職種が、下肢静脈瘤の原因となる可能性があります。
美容師 / 販売員 / 調理師 / 教師 / キャビンアテンダント / その他、1日10時間以上の立ち仕事を行う職種
妊娠および出産による下肢静脈への負担は、女性の下肢静脈瘤の罹患率を大きく上げる要因となっており、実に2人に1人の割合で罹患する可能性があるとされています。
また、妊娠の際には、ホルモンバランスの変化によって静脈が柔らかくなり、腹圧の上昇によっても「静脈弁」に負担がかかることになります。
※なお、妊娠の際にみられる静脈瘤は、例外的に自然に完治する可能性もあるため、出産を終えてから少なくとも半年程度は経過観察を行います。
下肢静脈瘤は、遺伝する性質を持っています。遺伝する可能性は、具体的には以下のような割合です。
なお、遺伝で発症する可能性のある方は、もともと「静脈弁」の機能が弱い場合があり、30代〜40代などの若い頃から発症する可能性があるため、注意が必要です。
下肢静脈瘤は、重度の肥満によって血行が悪くなったり、便秘によって腸が拡大することで静脈を圧迫してしまったりする場合でも、症状を発症する可能性があります。
下肢静脈瘤は罹患しても命に関わるような病気ではありませんが、足のだるさ、ふくらはぎなどのむくみ、こむら返りなどがみられ、症状が進行すると皮膚が黒く変色する、症状皮膚が潰瘍を起こし穴が開いて出血してしまうといった症状を起こすこともあります。
自然に治ることはありませんので少しでも気になる症状があらわれた場合は、下肢静脈瘤専門のクリニックでの受診をおすすめします。
下肢静脈瘤には、「伏在型静脈瘤」「軽症静脈瘤(側枝型・網目状・クモの巣状)」「陰部静脈瘤」などがあります。症状や患者様の希望に応じて治療が可能です。
伏在型静脈瘤は、進行した場合には手術が必要となる可能性があります。
大伏在静脈瘤
足首から太ももの内側にかけて発生します
小伏在静脈瘤
ふくらはぎの後ろから膝の裏にかけて発生します
足への悪影響は強くありませんが、美容的に改善したい場合には「硬化療法」によって治療することが可能です。ただし、重症となり得る「伏在型静脈瘤」が合併していないか、念のために超音波検査を受けることをお勧めします。
網目状/クモの巣状
軽症静脈瘤の代表と言えるクモの巣状静脈や、網目状静脈は、青白かったり、赤紫色になったりした血管が細く浮き上がってくる症状です
側枝型
その名の通り伏在静脈より「枝分かれした血管」でできた静脈瘤です
陰部静脈瘤
妊娠・出産を経験する女性にみられる、ホルモンバランスの変化によって起こる下肢静脈瘤の分類です。
といった特徴がありますが、この症状は例外的に、出産後に症状が自然治癒する可能性があるため、出産後半年ほど、経過観察を行います。 それでも「陰部静脈瘤」の症状に改善が見られない場合には、「硬化療法」によって静脈瘤を解消していきます。
下肢静脈瘤の手術治療で主流だったのは「ストリッピング手術」と呼ばれる方法で、悪くなった血管を引き抜く必要があり、入院が必要で身体への負担も大きく、心理的なハードルも高いものでした。
しかし2011年、血管内焼灼術治療が保険適用され「切らない下肢静脈瘤治療」を受けることができるようになりました。
血管内焼灼術治療は、下肢静脈瘤を発症している血管内にカテーテルと呼ばれる細い棒を挿入し、レーザーまたは高周波で患部の逆流している静脈を塞ぐ手術方法です。
当クリニックでは、患者様にできる限り負担をかけない治療を行うために、痛みの少ない治療を実現するため、血管内焼灼術治療を行う際には、局所麻酔と静脈麻酔(点滴によって麻酔薬を投与する方法)をご用意しております。 これらの麻酔を併用することにより、施術時間は静かな眠りの間に過ぎ、痛みの少ない施術を完了することができます。
下肢静脈瘤治療でのポピュラーな治療方法として、「硬化療法」があります。静脈瘤に薬剤(硬化剤)を注入することで血管をつぶし、消退させる方法です。 「硬化療法」を適用するケースは以下です。
硬化療法で用いる注射は非常に細い針を使うため、痛みの心配もほとんどありません。 また、注入する「洗浄性硬化剤(ポリドカノール)」自体も局所麻酔として開発された経緯を持つお薬なので、痛みが少ない特徴があります。
以下のような方には医療用の「弾性ストッキング」による治療をご提案しています。
「スタブ・アバルジョン法(Stab avulsion)」とは、下肢静脈瘤でコブとなる部分を解消したい場合に行う治療方法です。 術後半年以上が経過した場合にも残ってしまう可能性があるような、大きなコブに対しては、この「スタブ・アバルジョン法」を併用することでコブを取り除くことができます。
下肢静脈瘤治療で、血管内治療が実施される以前に主流となっていた施術方法が「ストリッピング手術」です。 血管内焼灼術などと比べると、以下のようなデメリットがあります。
そのため、当クリニックでは低侵襲で身体への負担も少ない血管内焼灼術治療を可能な限りご提案しています。 ただし、症状によっては「ストリッピング手術」が必要になるケースもあります。
当クリニックの下肢静脈瘤の治療は保険適用での診療となります。 (自費診療は行っていません)
3割負担 上限252,600円 |
2割負担 上限額18,000円 |
1割負担 上限額18,000円 |
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初診時 (初診料+超音波検査+ 短期滞在手術基本料1) |
2,700円程度 | 1,800円程度 | 900円程度 |
術前検査(焼灼術時) (初診料+超音波検査+ 短期滞在手術基本料1) |
13,500円程度 | 9,300円程度 | 5,200円程度 |
再診時 (再診料+超音波検査) |
2,050円程度 | 1,350円程度 | 700円程度 |
硬化療法 (短期滞在手術基本料1を含む) |
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血管内焼灼術 |
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川越下肢静脈瘤膝関節クリニックの初診料は、健康保険適用されますので、例として以下をご参考ください。
なお、健康保険適用の場合の診察報酬は全国統一の費用となっています。そのため、保険診療を行う下肢静脈瘤のクリニックであれば、この費用はほとんど同じとなっています。
※当クリニックの初診料は、初診料と超音波検査を合わせての料金となります。
川越下肢静脈瘤膝関節クリニックでは治療および手術などで、健康保険証による保険適用が可能となっています。自由診療となるのは特別な場合を除き、ほとんどございませんのでご安心ください。
診療費用残念ながら、下肢静脈瘤は自然に治ることはありません。下肢静脈瘤は放置すると症状が進行し、以下のような重症となる場合もあります。
下肢静脈瘤に限ったことではなく、早期発見・早期治療が大切ですから、初期症状が気になった時点で、すぐに受診されるのことをおすすめします。
下肢静脈瘤の手術の種類として、硬化療法の場合は約10分、血管内焼灼術は約20分となっております。
ご参考までに、血管内焼灼術での当日の滞在時間目安は、手術説明、準備などを含めて3時間程度を見ておいていただければ幸いです。
欧米の論文によると、下肢静脈瘤の血管内焼灼術での再発率は約4%とされており、100人中96人が1回の血管内焼灼術で完治が可能となっています。万が一、再発した場合でも追加治療によって完治は可能ですので、下肢静脈瘤の初期症状などに悩まされている方はお気軽にご相談ください。
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